4組だけの宿でお客様にご協力いただいていること

令和4年4月から、正式に1日4組の宿としてスタートを切りました。

しかし、実はコロナ禍に突入し始めた2年前から、8室ある客室のうち2室を個室食用のお食事処に変更したり、暫定的に1日の予約組数を制限したりと、感染対策として色々と手を打ってきました。

まさかこんなに長い間その施策が続くとは思っていなくて、どれも期間限定的なことになるだろうと思っていたのですが。

 

その中に、入浴のご協力があります。

当宿のふたつあるお風呂は、とても大きいとはいいがたいものです。

いかんせん、加水も加温もせずに源泉のお湯を楽しんでいただくにはこれがギリギリの大きさというところで決まった湯舟なので、こればっかりはこれから大きいお風呂にするということもできないんです。

以前でしたら、他のお客様と肩をならべて入って「どちらからいらっしゃったんですか~」なんて、”袖振り合うも多生の縁”とばかりに、世間話に花が咲くのも温泉の醍醐味でしたが、あの日からそれはできなくなりました。

大きな大浴場なら話は別ですが、うちのお風呂では気を使いすぎます。

 

そこで、「他のお客様が入っている時にはちょっと待っていてください」方式を取ることにしました。

他のお客様とは時間をずらしていただいて順繰りに入っていただくのですが、これはお客様のご協力なしには成り立たない方式です。

本来ならば、自分が思い立った時にすぐには入れるのが一番快適だと思います。

なんなら、お部屋にお風呂が付いていて気兼ねなく入ることができるのが、今のご時世では一番の安心材料だということもわかります。

しかし、現状の当宿のお風呂の仕様では、お客様にご協力を仰ぐしか方法は見つかりませんでした。

お風呂の入り口にあるのれんの下にスリッパを脱ぐ所を設け、そこのスリッパの有無によって空き具合を見るという非常に原始的なやり方ではありますが、この2年順調に温泉を楽しんでいただけているのは、ひとえに皆様のご協力の賜物だと感謝しております。

 

きっとこれからもこの方式は続くと思います。

湯量の関係で部屋付き露天風呂が作れない以上(いや・・・作る予定もないですが)お客様のご協力に頼るしかないということをここではっきりと明言しようと思います。

宿を選ぶ基準は、人それぞれだと思います。

絶対にお風呂付の部屋じゃなければならない方もいるでしょうし、すごく大きな大浴場なら気にしない方もいるでしょう。

当宿は、4組のお客様に譲り合いながら、ゆっくりとお風呂に入っていただく宿です。

どうぞご協力を、お願いいたします。