宿までの道のりは変わりませんが。
色々と変わることをお話していますが、変わらないことの筆頭に、”宿までの道のり”があります。
お客様からの評価の中で、「立地」は残念ながらあまりよくありません。
正直、それはしょうがないよな。と思っています。
当宿は、周囲を山々に囲まれた集落の中に位置しています。
そのため、東北自動車道を降りてから小1時間走らなければならないうえに、途中にはクネクネとした山道を運転しなければなりません。
白河方面から上がってくる県道37号線は、少し狭く木陰の中を通るので、新緑の頃の昼間は抜群に気持ちがいい経路になるのですが、夜は暗くなるのが早い気がします。
また、須賀川方面から上がってくる国道118号線は、交通量は多いですが、クネクネ度合いは白河からの道と変わりありません。
途中に、観光名所があるわけではなく、まっすぐ宿に来るしかない道のりです。(途中の立ち寄りスポットについては、また別の話として書きましょう)
しかし、先ほども触れましたが、新緑の頃、紅葉の頃は、それはそれは美しい風景の中を通ってきます。
芽吹きの緑、雨が多い梅雨の時期の濡れる緑、青空と対になる深い緑、だんだん黄色と赤が入り混じってくる紅葉、少しずつ散り始めてくる中のおうど色に包まれた秋暮、そして、白い雪をかぶった山を見ながらの道。
雪道ではない時期の景色の移ろいだけでも、こんなに目にやさしいのです。
これが、宿に来るまでの楽しみのひとつといえます。
不便な立地にまで足を延ばしていただいてからこそ、見ることのできるとっておきの景色です。
しかし、今年の12月には国道118号線鳳坂峠にトンネルが開通します。
昨年、貫通したトンネルで、今、前後の道路も含めて最終整備をしています。
このトンネルができることによって、須賀川方面からの所要時間が少し短縮されます。
峠の一番クネクネしている部分が、直線でトンネルになるのです。
運転するにはとても良いのですが、景色を見る楽しみが少しだけ減ってしまうのは残念ですけど。
すこ~しだけ近くなる岩瀬湯本温泉も、楽しみにしてください。