茅葺き屋根の一部がきれいになりました!

前回告知しておりました茅葺き屋根の修復作業が、連休の前に完了しました。

北側の屋根は葺き替えてから20年近く経っていて、苔やススキが生えているばかりではなく、曲がり屋の特徴でもある中央の直角になる部分が雪と共に落ち窪んでしまいました。

これを今回は「挿し茅」という方法で修復していただきました。

まずは苔や草を取り、傷んだ部分を引き抜きます。そして、まだ使える古い茅を引き出して新しい茅を差し込んでまとめ、刈っていく。という段取りのようです。(詳しくは屋根の上の作業なのでお邪魔しに行けなくて、口頭での説明でしか使えられないのですが)今年からお願いしている職人さん方は今までとは違ってとても若い方たちで、作業が早くてきれいだったのが印象的でした。

そして出来上がったのがこちらの屋根です。
刈りたての角刈りのような気持ちのいい屋根に仕上がりました。
全部古い茅を剥いてからすべて新し茅で吹き替える時とは、時間も費用も大幅に縮小され、先人の知恵が詰まった工法は本当に凄いものだと痛感しました。

ご宿泊の際に館内からは特に感じることのない茅葺き屋根ですが、来訪いただいた時にまず目にはいるこの全景が当宿の特徴であり、これを守り抜いていくことこそが当宿のアンディティなのだと思います。
150年変わらずこの建物を守ってくれている茅葺き屋根をこれからも大事にしていこうと思えた修復作業でした。